2017年6月6日火曜日

(少々ネタバレ)ちはやふる182首所感



182首読了。

今回は東西各予選における戦況(及びその周辺)
実況中継的お話であったけれども、
情報量がなかなかの大盛りで、
感想もどこから手をつけてよいものやらと悩ましく。

なお、
憂慮されていた太一と須藤さんの賭けについては
須藤さんのオトナ対応によりあっさり
スルー。
なによりである。


太一も大きく出た割には、
それ以上煽り立てるような言葉を吐くこともなく、
ああそうですかまったくもって想定内でしたよええ、的

無抑揚な表情を浮かべるに留まったし。


そもそもこの件、
太一的には肯否の如何によらず、
とにかく須藤さんのメンタル城壁に
ピンホールを開けられればそれでよし、
侵食の糸口を仕込んでおく事こそが至上目的、と

思っていたであろうから、


まさかこの件に
千早が闖入してくるとは
思ってもいなかったのじゃないか。

超聴力で太一の言葉を捉え、
脳髄反射で飛び出したはいいが
左足小指の負傷が尾をひくのか
ひっくり返って顔面を畳にしたたか打ち付けながらも、


そんなことは絶対に言ってはならない、
してはならない賭けである、
と必死に、そして懸命に進言してくる千早
を前にして、

わずかに

感情に揺らぎが生じたふうに見えなくもない、太一。

(少ぅしだけ目を見開いている感じに見えるのだけども。)


そしてそんな千早
の言葉をうっせえ綾瀬と遮って、
(そんな賭け)乗らねーよふざけんな、

太一に言い捨てる須藤さん ―。


なんというか…この一連の場面は…いいな。


「対周防共闘軍」ふたりの
体育会系的関係性の深まり具合が
萌えレベルにまで推移してきているところとか、

悪を演出してみたところで
千早と直接対峙して
自尊心の基部に触れられるような目にあってしまうと
やっぱり動揺を抑えることが出来ない太一とか ―。



いやはやこれは…妄想ネタの満艦飾。

(※個人的な感想です。)


特に須藤さんのイイ兄貴っぷりは特筆に価する。

(※個人的な感想です。(2回目。))


これまでの須藤さんというのは
ちょっと憎い人風味で味付けされていたけれども、

キョコたんに読みを褒められたときの喜びようだとか、
じつはかるた協会会長になる夢をあたためていたりだとか、

彼の中の無垢な部分が発掘されてからというもの、
好感度は飛ぶ鳥を落とす勢いと言っていい。

(※個人的な感想です。(3回目。しつこい。))

しかも、
千早との加速度的な親密ぶり
には、
カワイさ余ってイジメずにはいられないという、
極めてS的性向の高い偏屈な愛情があふれてるし。

なんとまあまったくもってけしからん素敵男子であるな、
須藤さんは。

------------


それはさておき。

今回試合の場面が描かれているのは、


西田くん × ヒョロくん
太一 × エロム先輩
千早 × 桜沢先生
原田先生 × 五十嵐専任読手


の4組。

戦いに臨む思いが
各選手
それぞれから語られているけれども、
 

中でも特筆すべきは五十嵐さん、原田先生、桜沢先生、
及び観戦者としての猪熊さんのそれ、ではなかろうか。

試合会場全体の状況を把握し、
一試合約90分に渡り常に円滑な試合進行に注意を払いつつ、
自らにおいては適正な発声と読みを鋭意保たねばならないという、
集中力と体力をたまさか要求される
読手という役割を15年に渡り続けてきた五十嵐さんの、
読手としてよりも選手として試合に臨む方が
余程容易いという本音や、

クイーン戦において
選手として挑戦し続ける強い気持ちを
猪熊さんから受け取った桜沢先生の、
“今度は私の番”という新たなる決意と、
じぶんが “若い子を
キッチリ挫折させる” という
責務を負う年代に至ったことに対する自覚、

そして、
幼き子どもを抱えて選手を続けることの困難さから
今はもう降りても
いいと感じてしまった
猪熊さんの自らに対する失望感や、

若さがもたらす全能感は
物語の主人公はじぶん以外にはないと思わせるであろうが、
そんなじぶんも、他の誰かの物語においては
たったの一部分でしかないのだよ、という
原田先生の
皮肉に満ちた、しかし絶対的真実の引用等々 ―。


一定の人生経験を経てきた人々の口から語られる
これらホロ苦告白には、グッと肝をつかまれる。

特に原田先生の、

“どんなにかけがえがなくても誰かの一部分”

という独白に重ねるように
太一と麗子母の親子が描かれている場面などは
とても痛々しく、そして、切ない。


親がどれだけ我が子をかけがえの無い存在と思うても、
子は親の元を離れてゆくというのが世の習いであり、
ゆえに母としての己の存在も、
息子にとっては彼の物語の中の一部分でしかないというじじつ。

そしてそのじじつを身に刻みつけるかのように、
我が子をするどく見つめる麗子母。

美しくも厳しさを含んだその横顔が物語るのは、
遠くない未来に確実に訪れるであろう
子別れへの覚悟なのか、或いはまた別の感情なのか ―。

この親子も早く和解できればいいのに、と。


----------


最後に。

我らの村尾さんが…ムラオさんが…っ!
小石川ポカ作くんにまさかの負けを喫してしまうという異常事態に!

念願の大石天狗堂に就職し、
今年から西日本予選に参戦してきた小石川くん。
…くそぅ…ノーマークだったぞ…ポカ作め……。

ここにきて、
しかもよりによって、村尾さんを倒してしまうとは
なんて憎いことだ。

通常なら好きな子の組にソートしている君だけれど、
今回に限ってはとても憎いよ…!!

 
だが、
村尾さんの敗戦を知った新くんは
俄然燃え立った様子であったので、

きっとどの時点かの試合で(できれば決勝戦がいい)
村尾さんの無念をキッチリ晴らしてくれるものと期待している。

新くんよ、頼む。
村尾さんの仇を取ってくれ…!

それと、出ました…西日本予選名物、
由宇ちゃんの「験担ぎ弁当」が。
今年も。

ただし、 
昨年の教訓を生かしてか、
充分に加熱を要するメニューでの攻勢の模様。

ハム、豚、牛、メンチのカツ(勝つ)づくしとおやつの羊羹…
…ってようかんは “ you can “ に掛けてるのか!
(ダジャレか…!)

験担ぎの執念、えげつないな由宇ちゃん…。
あと指摘させて頂くなら、お弁当の取り合わせな…。
(カツと羊羹て…)

カルターの方々は
試合前に固形物を取らない主義が多数派のようだけれども、
やはり今年も由宇ちゃんのコレを食べるのか?
新くんよ…。

まあ…食べるのだろうな、律義に。
(わかるよ…それでこそ綿谷新だよ…)

だが、
適度に自主規制はしておいたほうがいい、
…ということだけは強く具申しておくよ。
2年連続の腹下しはさすがにアレだと思うよ?


と、いうわけで、次回は6月15日。

はたして、
西の方の試合は見られるだろうか…。
 
 
----------------------


さて、
ここでひとつ告知させて頂きたく。


今週末と来週末の土曜日の夜に
ちはやふるについて語らうチャットが開催されます。


チャットのお部屋名は「おしゃべりしよっさ」。


        ↓↓↓



 

 
リアルでは身近にちはやふるについて
お話できるひとがいないのですよね…という方、


あるいは
とにかくちはやふるについて、
お話しまくりたい!という方、etc…。 

是非ともこの機会に
「おしゃべりしよっさ」に参加してみませんか?

開催日時は以下のとおりです。
     
      ↓↓↓

--------------------------------------------------------------

 ○ 6月 3日(土)22:00~(終了)
 ○ 6月10日(土)22:00~
 ○ 6月17日(土)22:00~

 ■チャットルームのアドレスは、
  
  http://chat.kanichat.com/chat?roomid=chihaya
 
---------------------------------------------------------------


みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

なお、
チャット参加の前に一度皆さんのお話ぶりを見てみたい、
という方は閲覧のみの参加も可能です。


是非ご一緒に、ちはやふるで盛り上がりましょう!





2017年5月28日日曜日

(少々ネタバレ)ちはやふる181首所感



181首読了。


記事を上げるまでに少しぐずぐずとしている間、
なんと我らがまっけんさんが




『 新田 真剣祐(あらた まっけんゆう)』



…というお名前に改名されて、ちょう驚いた次第。


もうこの「氏」は、アレですね、「あらた」くんですね。



それ以外にいったい何があると?
それくらいまっけんさんが「ちはやふる」を、
そして「綿谷新」という役を大事にしてくれているという
左証といっていいのではないか。



ますますまっけんさんを応援する気持ちが高まりました。
まっけんさん、この氏に決めてくれて有難う。

大好きだ。




------------


さて、本編ですが。


速水さんと千早の勝負は千早が勝利。
順当といえば順当な流れか。



千早の気持ちの切り替えと集中力のV字回復も驚異的だったが、
じつは一方で速水さんも例の絆創膏の一件について
判断を誤ったのではないか?という迷いを抱えていた様子。



そのことが直接の敗因であったかどうかはさておき、
その負けた速水さんの顔面の扱いが…や、ちょっと待ってあげて?



彼女って新メシがおかわりができるくらいの
しゅっとした少年風麗人キャラだったはずではないの?



彼女の泣き顔の扱いがあんまりえげつなかったので、
我は悲しいです。(ぶさいく過ぎるよ…)














(えぐっえぐっ……)


その後速水さんはゆーみんさんに
翠北会入会を申しつけられていたけれど、
彼女は近々ゆーみんさん直系の妹弟子となるのだろうか。
(なってくれたらいいのに。)



持っているものを受け渡したい、
次世代の伸びてゆく姿を見たい、というのは、
生き物の根源的な欲求のひとつであるけれども、



近頃のちはやふるでは、
この“引き継がれる”ということについて



瑞沢、北央、富士崎等の世代交代や、
猪熊さんのご出産、
ゆーみんさんの“速水さんが伸びてゆく姿を見たい”や、
あの周防さんが太一を自らの側に置いていること等、


様々な引き継がれのあり方に焦点が当たっていて
興味深いことであるな、と思ったり。



-------------


そして、
千早のZ軸浮上の件。



この札認識については唐突に語られた気がしたけれども
千早自身がその“認識”と“実際”が合致している、と、
確信を持って言える様になったのは
ほんの最近になってから、ということなのだろう。



その確信を補完するきっかけとなったのが
“対周防共闘”を組んだ、須藤さんとの厳しい練習による
スキルの底上げと、




「札が浮いて見えるというのが
 綾瀬独特の“聴こえ方”なのではないか」




という彼の指摘だったのかもしれない。


何だよ須藤さん、ちょうイイ兄貴じゃん。
相変わらずクチは悪いし、
JKの顔面ワシ掴んで引きずり回したりしてるけども。



とにかく、
何だかんだ言ってつい遠慮なくイヂメたくなるくらい
気に入っているのだな、千早のことが。


いや、
むしろ千早をぞんざいに扱っていいのは
オレだけ的S扱いか。(special の「S」ね。)



うむ、萌えるな…。



-------------------



さらに、今回の注目点。



これはやはり太一のダークフォースが開花して
とうとう主役級キャラクターを侵食し始めたことであろう。



白波会に籍を置いているのは上位戦になるまで
同会の強豪選手(e.g. 原田先生、広史さん etc. …)に
当たることから免れられるから ― 、という、

利害第一主義のもの言いをしているけれども、
君…言い方とシチュエーションな…。

(居るやん近くに…同会の面々が…。)



しかもこの変な空気感を清めるべく、
せっかく原田先生が話し掛けてくれてるのに
お前意識し過ぎじゃね?…って
須藤さんが気を遣ってくれたというのに、


言うに事欠いて






「また賭けしましょうよ須藤さん」

「先に負けた方が競技かるたをやめる(っていうのどう?)」





…とかってキミ…。

これまたちはやふる史上最悪の賭けネタを提案してきたよ。
しかも半ニヤケで薄笑いながら言うとかって……。



太一くんよ、
キミはいったい何処へ向おうとしているのか…。




さすがの原田先生も
このふざけた提案は聞き捨てならないようで、
須藤さんの下のコマで、
「ファッ?!!Σ( º言º"╬)!!? 」ってなってるよ?

(広史さんも西田くんも 

 「…(ºДº"lll)オイ…?!」ってなってるぞ?)


太一がこの賭けをあえて須藤さんにぶつけてきたのは、
彼が瑞沢メンバーだった頃からのいわゆる
“定番ネタ”だからというのもあるようだけれども、
ジョークにしてもちょっと笑えるレベルではないな。



例えばこの賭け提案を善意に解釈したとして、

退路を断つくらいの絶対的緊迫感をもって自らを追い詰めなければ
この先の勝負(新との東西挑戦者決定戦を想定しているのか?)を
制することは決して出来ないであろうとの認識に基づく
必勝奮起の決意表明としてのそれなのか、



或いは
そのままストレートに受け取るとして、


単に周防式メンタル制御術の魔法陣を
試合前から相手に念入りに仕込んでいるだけなのか ―。



現時点における彼の真意は不明だけれども、
とにかく悪意甚だしい太一のこの使嗾に対し、

個人的には須藤さんには
マトモに取り合わないでおいて頂きたい、と
願っているところである。



---------------


と、いうワケでここはひとつ、
須藤さんには、




「勝負なんてものは勝つ時もあれば負ける時もある、
 たった一回負けることくらいで
 この世界に見切りをつけるなんていう
 中途半端で生っちろい覚悟で俺はかるたやってねえ、
 お前のモチベ上げに加担してやるほど
 俺はお人好しじゃねぇしバカでもねぇ、
 そんなクソみたいなしょうもねえ賭けに誰が乗るかよ、
 調子乗ってんじゃねえぞ、このヴァーカ、ヴァーカ!!」




…って言ってもらいたいですね。



そりゃあ
「何だコラテメェ受けて立つ!!」という展開になった方が
お話的には盛り上がるとは思うのだが、



須藤さんにも太一にも、
こんなしょうもないことでかるたをやめるような事態には
絶対になってもらいたくはないゆえ、



太一の焚きつけたこの煽りの顛末については、

「肩すかしで須藤山の勝ち」

…とかにしておいてもらえないか、と。
そんなふうに期待している次第。



--------------


それにしても、
一時は瑞沢王国臣民の皆さんからの赦しを得ることで
太一王子は救われたようにも見えていたけれど、
あれはどう解釈すべきだったのか。



札も暗黒面から回帰して光輝いていたというのに、
彼の今回の振る舞い(=勝ちに来たのでなく翻弄しに来たとか)は、
回帰したはずの心象象徴(=輝く札)と
まるで合致していないではないか。



「もう遅い、これで終わり」といわれる一方で、
「新しいはじまりの時にいる太一」ともいわれてたのに、
君の「新章」はこんな暗黒面から始まってしまうのか?



そして、
「次がある」「前に進む」「同じ決意を返すから」
という、あの輝かしくも誇らしい宣言はいったい何処なりや?



少なくとも現状を見るに限っては、
君の「決意」は千早や新のそれとは
まるでかけ離れてしまっているように思えるよ。



まったくもってわからない…。


………わからないのだけれども、

ただグダグダぐるぐるして
目的も思考も全てにおいて暗澹溟濛としていた頃よりも、



たとえそれが悪意(あるいは復讐か)の下に
達成されるものであったとしても、



自らが進むべき道を「これ」と定めて、
成すべきことを成そうとしている
今の太一の方が断然魅力的であるし、

迷いを持たず前進するその美しさと高貴さについては
まったくもって比類がない、

それだけは確かだ。


“ 嘆息が出るくらい美麗な悪の華 ― ”

  (断っておくが、これは賛辞である。)



納得ゆくまで突き進んだ先には
きっと救いがもたらされるものと信じて、
今はただ太一の為す事の成り行きを見守るのみ、か。



次回の展開に、期待。






 

2017年5月7日日曜日

(遅ればせながらまとめ) ちはやふる2016年冬weekと2017お花見オフ会




標記の件について、
遅ればせながら取りまとめを以下に記録。


個人的には年末年始~年度末&新年度始期という
オフィシャル的に少々多忙となる時期に
ちはやイベントが重複してしまったため、
ここにきてようやく情報整理することができた次第。


今となっては遅すぎの感はあるのですが、
とにりあえず、記録しておきたいと思います。



■ ちはやふる公式イベント「冬week」

2016年度12月初旬に行われた冬week。
新のバイト先(という設定)である
「勝義書店」にて開催された「綿谷新ギャラリー」。





ギャラリー内はまさに “新祭り” で、
彼にまつわるよりすぐりのシーンの複製原稿と
カラー複製原画が展示されておりました。
(なお、ギャラリー内はお写真OKでした。)







 







(個人的に好きなシーンを抜いてみました。)



   (たいちー!ちはやー!)

 
  (よろしくお願いします。)


商品化したいキャラクター投票も行われており、
当方、勿論ムラオさんに熱き一票を投じまして、
付設のノートに



「ビジネス用ムラオデザイン&カジュアル用新デザインの
 兄弟弟子仕様眼鏡フレームの商品化を熱望」



の旨を記載しておきました。



   (ムラオさんに一票。)



そして 、
何をおいてもこのギャラリーのイチオシは
「綿谷新からのプレゼント」 だったものと思われます。


       (コレ↓)


















119首における例の台詞を、
しかもあの場面をイメージした小部屋で
聴かせてくれるという趣向のこの企画。








           (妄想…)

これほどまでに機密性の高い個人情報を
まさかの一般公開という現実世界においては

罰ゲーム以外の何ものでもない方法で
晒される高2男子の人権はいずこや…!?

…という同情さえもあっさり棚上げして、
我らはバッチリ彼の告白を拝聴させて頂きました。


…いや…
ホント………すまん…新くんよ。


そして後日
このプレゼントを体験された他の方とも
お話していたのですが、
通常の新ボイスよりも若干低めの声でしたよねと。


これを言葉で説明するのは大変困難ではあるのですが、

彼女を慕わしく思う気持ちが彼の身体の容積を超えて
まるでじぶんの全てを差し出すかのごとく

身体の芯から発せられたような……とでも申しましょうか、

熱を含んだオトナの男を感じさせる声でした。

(……高校生相手にどんなたとえだか。)

勿論、台詞は福井イントネーション。
(方言男子の破壊力たるやもう…)


いやはや、これは大変よき企画でした。

しかし新の “コレ” を聴いてしまったら

アニメ3期を期待せずにはおれませんですね。




 
■非公式オフ会「あわらお花見会」


4月初旬、あわらの桜の開花に合わせて開催されたオフ会。
地元及び各地からあわらの地に有志さんが集合いたしまして、
ちはやふるゆかりのスポットを巡り、


その後イベントスペース「a-cube」さんで
百人一首ケーキや持ち寄り土産を頂きながら、
ちはやふる談義に花を咲かせた次第です。

とても楽しい時間を過ごすことができました。









※なお、これまで「a-cube」さんのアカウントで
  Twitterから発信されていたちはや関係の
   様々な情報につきましては、2017年6月以降、
   「非公式ちはやふる あわら市民委員会」さんから発信されます。

  フォローはこちらから → https://twitter.com/awaratihayafuru
 



地元外の参加者さんとはその夜
「グランディア芳泉」さんに宿泊、温泉を堪能し、
翌日はあわらでは何度もお世話になっているHさんに
福井市内をご案内頂きました。


(Hさん、毎回本当に有難うございます。m(_ _)m)



こちらは
原作の「再会の土手」のモデルとなっている桜の並木。






こちらは
映画の「再会の土手」のモデルとなっている桜の並木。







そして福井市内に所在する
「こども歴史文化館」で行われていた

『名人展 ~ かるた王国ふくいのちから ~』も
見学させていただきました。


















 
こちらでは川﨑名人と三好準名人の人となりや戦歴、
そして福井県と競技かるたの歴史などとともに、
様々な種類の百人一首かるたの展示がありました。











中でも我々が目を奪われたのが、
光琳かるた(複製)のZ軸浮上展示!
         

          (コレ↓)










 
これはもう学芸員さんが
確実にちはやふるの連載読者であるね!と
現場で盛り上がった次第です。


(ちょうど180首が掲載されて
 間もないくらいの訪問でしたので。)




オフ会に参加されました皆様、

ご協力まことにありがとうございました。

そして、
現地ではいつもご親切にご対応下さいます

Hさんに再度感謝を申し上げます。


以上、
簡単ではありますが記録まで。








2017年4月30日日曜日

(少々ネタバレ)ちはやふる180首所感




ちはやふる180首読了。

いよいよ東日本予選が本格始動、というところですが、
まずは女子組の展開がクローズアップされる様子。


(ドラマチックな何か持ち男子の活躍は今回お預け。(/_;))



本予選における千早の緒戦の相手は、
冨原西の速水さん。

彼女の武士級のキレの良い取りと所作、
そして艶のある黒髪と切れ長の目元という風貌は、


新不足の読者にとっては
「速水さんふりかけ」で「新くんご飯」が3杯はイケる的
オイシイ画面構成であったものと拝察いたします。


実際、
千早も速水さんふりかけで
あらた飯を食しておりましたね。




( ´-` ).。oO (きれいな渡り手を見ると、思いだしちゃうな…)



自らの手で絶賛藻塩漬け中の男子を想起して
ほんのり頬を染めるかるた馬鹿18歳JKの図…(カワ)。



------------


それはさておき、くだんの速水さん。


じつはオトモダチをつくるのが上手くなかったとのことで、
幼き頃より一人で世界に没入できる書道に精進していたところ、


祖父宅で偶然目にした
光琳かるたの絢爛さと流麗なる書にすっかり魅了され、
高校生になって誘われるがままに競技かるたの世界へ…、
…という異色の道行きを経ていたとの由。



しかも絵と書の違いこそあれ、
奇しくもかるたとの出会いの第一声が



「かわいい…♡」


とは、某クイーンに並ぶ札偏愛ぶり。


その上、
札との繋がりが



「(句のひと文字目の)第一画目」


とか言って、
もうその時点で他のかるた馬鹿の皆さんが
とうていついていかれない次元にいるという、 

それこそ“ドラマチックな何か持ち()” を予感させる
奥深さを秘めている模様…。



(個人的にはどちらの札の一文字めの
 一画目なのかというのも気になるところ。
  上の句の一文字め? 
 それとも順当に下の句の一文字めなの?)



いずれにしてもユニークが過ぎて
ある意味変態的ですらある彼女のこのかるた特性は、


しゅっとした男役ヅカガール的外観とあいまって、
ここにきてギャップ萌え必須なナイスカルターが
投入されてきたなあ、と。
(めぐむたんに次ぐ逸材だな。 )
御馳走様です。


また、
経緯の詳細は不明だが、、
なぜだか翠北会のユーミンさんが
速水さんをピンポイントで気にかけている、
ということが今回語られておりましたが、


元クイーンの目からしても、
速水さんの戦法は何かこう…∑( ゚д゚;)ハッ! と
思わず目が奪われてしまう
独自性の高いものなのでありましょう。



それとともに、
ユーミンさんが「指導者」としての立場で
他会の後進に積極的に関わっている姿にも
ぐっときた次第。


翠北会の面々は、
会員同士の結束が固くて
仲間ををとても大事にする一方で、


誰れ彼れとなしに面倒を見ずにはいられない
陽性のお節介要素も合わせ持っているようで、
(西田くんなんかまんまそうだ)

主催者である北野先生の江戸っ子気質が
よい意味で会に色濃く反映されているな、と。


こういう
“カルターみな兄弟”的懐の深さを持つ会こそが、
かるた界に潤いを与え、豊かにしてくれているのだろうな。
素敵なことだ。



---------------


一方、
速水さんと対戦中の千早はといえば、
試合に臨むにあたっての
心身の準備不足を、東日本予選という、
今期何をおいても集中して臨まねばならない
最重要トーナメントの、しかも緒戦本番にそれを思い知っている、
という体たらく ―。


これがクイーンと頂上決戦での再戦を誓い合った
人間の態度であろうか?…と、
当方少々モヤっとした次第。



このエピソードは、
目の前の出来事に心がとらわれ過ぎて
本筋がお留守になってしまう
“猪突猛進の反作用” が千早の弱点のひとつであることを
再提示した態なのだろうと理解しているが、


こういう態度を表に出してしまうのは
対戦相手である速水さんにも、
そしてその先で今度こそ約束が果たされることを
信じて待っている詩暢ちゃんにも
大変失礼でありましょう。



故に速水さんが千早に対し、
同情の余地をはさむことなく、




「(絆創膏なんか試合中の今)持ってません。」




と武士らしく一刀に伏したのは、
いたってまっとうな反応であったと思うよ。



しかし、このやり取りのおかげで、
自らのやらかしを自省した千早。


あらためて速水さんの
奇天烈な札との繋がりを前にして


“ちょ…ナニコレ、
 この子のかるた、めっちゃ、変!”


と、「かるた超楽しいモード」のスイッチがオン、 
途端にゾーン入りして、
「Z軸札浮上理論」を展開するという驚愕の切り替えっぷり。



これまでの、
「色がついて見える」から 「浮いて見える」…と、
札認識の方法が変化した千早だけども、

このような状況を目の当たりにすると、

“超人的な札認識能力”が備わってくることこそが
一流選手のサイン、というような感じがして、
君らはドラゴンボールの人かよ!…ってなる。



今のところ、
このような第六感的表現で札との繋がりを語っているのは
一部の選手に限られているけれど、

(ex. 周防さんの“音に色”、詩暢ちゃんの“糸”と“小人さん”、
   速水さんの“一画目”等。)


聴力、視力、記憶力及び
その情報出力装置としての身体運用能力という、
五感及び既存スペックの特化という表現内にとどまっている人々
(ex. 猪熊さんの“聞こえたら取る”、新の“超加速”等。)も、
そのうちこんなふうに語りはじめたりするのだろうか…。


(まあそれはそれで、興味はあるのだが。)



---------------


さて、
次回181首までは少し時間があいておりますが、
この間に続編実写映画の新キャスト発表があったりと、
ちはやふる近辺が再びじわじわと熱くなってきておる様子。



個人的には漫画本編と映画のエンディング(=“結び”)が
はたしてシンクロするのか、しないのか、という点と、


映画のみの新キャラ「我妻伊織」ちゃん
(@清原果耶(ライオンのひなちゃん役もやってます))の
からみっぷりが、新と千早にどう影響するのか、という点が、
非常に気になっているところであります。





2017年3月26日日曜日

(少々ネタバレ)ちはやふる179首所感



179首、読了。

今回は田丸兄が久々に登場しておりました。

相変わらずのウザさに安定の三下悪役ぶりだな!と、
安心したのも束の間、

早速ドラマチックな何かを持っている男子の
餌食にされかかっていて、
お可哀想であることこの上無しだよ…と。

---------


さて、
このたびの179首のキーワードは
「解像度」、でしょうか。


太一はこのことを
音や目の「解像度が上がる」というふうに
表現していたけれども、

これは、
周防式感覚の研ぎ澄まし法の訓練の賜物、

ということの他に、

これまで彼が自らに強制的に課してきた
“こうであるべき正しきじぶん”
という箍をはずしたことで、


元々じぶんの周囲に存在していたものやことを
新鮮かつナチュラルな状態で
情報感受できるようになったことから

そのように感じられるようになったのでは、と

つまりこのことは、
それだけ太一が長い間
強力な精神的抑圧下にあった、
ということの左証であって、


“こうあるべき”に基づいた必要情報しか
見聞きしようとしてこなかったことに対する
「自由の反作用」
が、彼の能力の底上げを
もたらしたのではないか、
という、推測。


--------------



そして、もうひとつ、
179首ラストページの、
あの思わずおぞけをふるうほどの
鋭く眩惑的な美しい太一の面立ち ―。


これが

ストレイシープから狩る側へと転身を遂げたことで
彼が初めて実感できた
“心底の解放感と喜悦”に由来するものなのだと思うと、
それはそれで少々複雑な心持ちにはなる。

だが、
じつはダークサイドに親和性が高かった彼の属性が
ここにきてようやく水を得ることができたのだとしたら、
それはそれで「よかったね」と、寿いでおくしかないだろう。


    * * *


病院経営者の長男として家の体面を保つべく

常に一番であり勝者であれと強いられてきたこと、

そしてそれに応えてきたという強い自負が
突如現れた地方少年により
アッサリと打ち砕かれてしまったこと、

しかもその当の本人に
じぶんの卑怯さを知られてしまったこと、

その上好きな子のそばにいるために
かるたを続けているという自己欺瞞を抱えながら
良き部長を演じてきたこと、

更にはそこまで努力してきたにも関わらず、
好きな子には男として承認されず、
じぶんにこのような思いをもたらした
地方少年には未だかるたで勝てないという現実…。



     * * *
                                       
                                        

こうしてあらためて
太一の抑圧の根源を取り出してみると
不憫極まりないが、

このような闇過去を突破するためには、
やはり“じぶんの中のいい子殺し”が
いちばん手っ取り早かろう。

ゆえに、いい子殺しの上、
彼があっさりと「悪役」を自認するに至ったとしても、
これはもう仕方がないことであるな、と思うよ…。

(一旦自己憐憫に陥ってしまうとその甘美さが 
 ますます悪を美しくみせてしまうだろうし、 
 今の彼がそれに酔ってしまうのも
 もうお約束の道理としか…。)



--------------


とはいえ、
かるた界の最高位者と戦う権利を得るために
持てる力の全てを賭けて
真剣勝負を挑みに来た人間が集う

この東日本予選という一大イベントにおいて、



“楽しいな、 
 勝ちにきたんじゃない、
 皆を翻弄しにきたんだ”




…ってさぁ…。

そのもの言いは
この場に居るかるた馬鹿の皆さん全員を
本当の意味でバカにしているよね?!
キミはいったいぜんたい何様のつもりかね?!
今すぐかるた馬鹿の皆さんに謝まれやあぁぁぁあ!

……と直情的に思ってしまったけど、


それくらい尊大かつ傲慢な言葉が
スルッと自然に出てくるようでなければ
周防皇帝の闇魔法を直系で受け継ぐことを
彼から許されはしなかったであろうな、とも。



太一というキャラクターは、

「青春の不条理」を一身に背負わされて
可哀想にも程がある、という見方もあろうかと思う。

けれども、
かるたを己の欲の達成手段として利用してしまった、
というじじつからは決してのがれられないし、

そうしてしまった時点で
残念ながら千早や新や詩暢ちゃんの側とは
一線を画す立ち位置に配置されるしかない運命だったのだ、
と理解するしかないのだろう。


しかしだからといって、
罪と罰の論理によって
彼は救われてはならない、という理屈に持ち込むことは、
強引に過ぎると思われる。


末次先生のお考えは
我々が推し量れるレベルのものではないけれど、

純粋さによって切り開かれてゆく未来と、
打ちのめされ迷走しながら切り開かれてゆく未来、

このふたつの対比と並走が
ちはやふるにドラマを与えている源なのだとすれば、

今は手段の違いこそあれ、
しかし彼等が行き着きたいと願うゴールは同じ場所であり、

だからこそ後者に属する太一がゴールに到達した時には

「救い」がもたらされるような仕掛けが
組み込まれていているに違いない…と思っていたい。

そう思っていないと、
次号から本格的に始まるであろう


「ちはやふるウォーズ エピソード3 /太一の復讐」


見届けるのがちょうしんどくなる。

(…いや…これまでも何度か読むのが

 しんどいわ、と思うときはあったのだけども…。)


太一がダークフォースに魅了されてしまった今、


がらんどうを埋めるために
リア充カルターの情熱を喰らうしかないニヒリスト革命軍と、
かるたに人生を捧じて惜しくないかるた十字軍という
二項対立の構図はこれまで以上に
際立ちを増すことになるだろうけども、


最終的には
「勝敗=ことの正否」という次元を超えたところで
両軍が歩み寄り、妥協点を探り、
中道の落とし所を見つけるような展開となることを
期待したい。



---------------


最後に、

Twitterでフォローさせて頂いているお方が
ビラブ7号33頁、
左下段の
太一の横顔と目の表情がたまらない、

と仰っていたのですが、

確かに、このコマの太一には
惡の華が醸し出した強力な闇エロスを感じるな!と
深く頷いた次第。

もし、
振り返りのついでに

179首をご覧になれる機会がありますれば、
是非ともこのコマを再確認頂きたく!


----------------


ではここで
告知をさせて頂きたい件があります。


ご縁を頂戴し、
この辺境ブログにお運び下さった

ちはやふるが大好きだ、というみなさまに、

近々開催予定のちはやふるオフ会をご紹介いたしたく。


ちはやふるについて
ぜひともリアルな場で語らいましょう、というこの企画。
みなさまのお運びを心よりお待ち申し上げております。


            ↓↓↓

【非公式】「ちはやふる」ファンお花見お泊まり会


■日時:4月8日(土曜)~4月9日(日曜)

   ※当日日中に開催される、非公式オフ会に参加されてから来られるよう、
    17時~17時半ごろにチェックインを予定しています。
    もちろんお仕事とかで遅くお越しになっても大丈夫です。


■場所:グランディア芳泉さま
   あわら市船津43-26
   
https://www.g-housen.co.jp/
   ※このイベントについてのお問い合わせを旅館の方にされますのは
    恐れ入りますがご遠慮ください。


■募集人数:計12人
       
※最低催行人数は男女各6名以上となります。
    仮に5名以下になった場合、団体プランの料金に代わって

    個人プランの料金が適用されるため。
    
         
     

■料金:18000円(予定)
      ※最低催行人数を満たした場合。

   仮に人数を満たさず
   一部屋4名・5名の場合、19000円
   一部屋3名の場合、20000円
   一部屋2名の場合、22000円
   
   となります。

       また、当日の宴の盛り上がり次第で飲料代がかさんだりした場合、
       ご相談・了解の上若干オーバーした分を割り勘いただく可能性があります。

   大変申し訳ないのですが、なにとぞご了承くださいませ。



■最終募集期限:3月31日
      
※この日以降にキャンセルのお申し出があった場合、
       旅館に対してキャンセル料が発生する恐れがあります。



以上、
よろしくお願いいたします。






2017年3月14日火曜日

(少々ネタバレ) ちはやふる177首&178首所感(ミニ)



前回の177首の所感を記録できなかったので、
178首とともにまとめ記録いたします。



さて、
前回の177首では、
須藤さんが「強さ」にこだわりを持つ理由が明らかになり、

なんだかんだ言いながらも
ステキなアニキではないかキミ好きや、と感心した次第。


これまではドSサイドばかりが強調されていたけども、

他人に厳しい以上に実は自らに厳しいこと、

そして、それこそがまさに
彼のカリズマの根源を為していること、


さらには、
意趣返しに他人のモノを平気でパクるやんちゃなところや、


かるた愛の大きさを
天邪鬼で隠してしまう青臭いところなど、


「ザ・須藤イズム」が満載で、
須藤さん好きにはたまらん回だったであろうな、と。


未来の競技かるた界を牽引するリーダーには、
まじめだけじゃないこれくらいの豪放さがあっていい。


きっと懐深い粋なS男になるね。

須藤さんは。
これは間違いない



-------------
 

ということで、178首。


周防久志という男が何とも捉え難い…。

千早のことを「嫁…」て言うてたかと思えば
えげつないイケズで精神的に貶めた上にもう来んな言うたり。


つい先日も、
面と向かって「帰れ」って言うたところなのに
何事もなかったようにしれっと電車の中で絡んできて
千早の隣にふつうに座って馴染んでるし。


しかも、
須藤さんからちゃっかり千早の電話番号を入手して、




「東日本選手権がんばって。
 詩暢ちゃんと不尽の高嶺で待ってるよ。」





とかって、そのツンデレは何なのかね?


貴殿の言動の一貫性の無さには
まったく困惑するばかりだよ、ヒサシ・スオウ…。


-----------


一方、
京都では詩暢ちゃんが伊勢先生に
あらためて明星会にはもう行かない宣言を発布。


ぬるい空気を許さざるを得ない今の明星会の現状を
自嘲とともに語る元師匠に苛立ちを覚える詩暢ちゃん。


大好きの気持ちの赴くままに
心からかるたを楽しみたかった彼女であったのに、

好きによって開花した類まれな才能が故に
友達と離れる(離れさせられる)こととなり、


更にはそれが故に
かるたに没入するしかなくなった、という顛末は、


決してじぶんの望んだ在り方では無い、という感覚が、
常に心の何処かでくすぶっていたのかもしれない。





「うちにはかるた楽しむより
 強くなる道しか選ばせてくれへんかったのに!」





じぶんからは厳しく取り上げられてしまったものが
他者には容易く与えられていることに対する憤りと、


厳格がもたらした孤独の中で
比する者無く濃密にかるたと向き合ってきた
最高位者としての矜持 ―。


その両極の感情の、
強烈なせめぎ合いの中から絞り出された
彼女のこの言葉の痛々しさには、動揺する。



抗いようの無いまま
全方位的な不条理の中に投げ入れられる残酷さは
世界に対する不信を生むけれども、


現競技かるた界の最強ツートップが
共に同様な境遇を経てきていることと、


彼らが頂点に君臨している世界に対し、
彼ら自身が心底の信頼をおけずにいることについては、
浅からぬ因縁を感じざるを得ない。


この呪いを解くのはいったい誰なのか ―。

ぼんやりと答えが見えてきている気はするのだが。

------------

とはいえ今回は、
詩暢ちゃんにかけられた呪いのひとつが
あっさりと解かれたことに、衝撃を受けている。


明星会に通うちびっこ、こころちゃんの、




「強い人と試合がしたい!
 どんだけ強いんか知りたい!」




という一言によって、
詩暢ちゃんの分厚いATフィールドが
一気に融解したのには驚いた。


個人的にはこの急転直下の展開を
うまく解釈することができなかったのだけども、


千早であっていいはずのこの役目を、
なにゆえ突如登場したこころちゃんが
負うこととなったのか ―。


もう少し時間をかけて考えてみたいところ。


----------


そして、
もう明日は次のびらぶの発売日…。


時間の経過が早すぎて、
身体も脳みそもついていけておりませんが、


何より2週間のペースで
本編を読めるのは嬉しいことです。




では、
前回もご案内いたしましたが、
ちはやふる関連のオフ会についてのお知らせです。


まだ締め切りには間に合いますので、
是非ご参加いただけますれば幸甚に存じます。


         ↓↓↓↓


■ 映画「ちはやふる」一気見上映会in渋谷 ■


○日時:3月19日(日)12時集合~17時30頃終了予定

○会場:カラオケパセラ渋谷店
     東京都渋谷区神南1-22-9
  
○会費:4000~4500円位の予定


参加ご希望の方は twipla からご参加の旨をお知らせ下さい。





■【非公式】「ちはやふる」ファンお花見お泊まり会 ■
 

○日時:4月8日(土曜)~4月9日(日曜)

○場所:グランディア芳泉さま
      あわら市船津43-26


      ※このイベントについてのお問い合わせを旅館の方にされますのは

        恐れ入りますがご遠慮ください。

○募集人数:計20人

         ※最低催行人数は男女各6名以上となります。
      仮に5名以下になった場合、団体プランの料金に代わって

      個人プランの料金が適用されるため、
      若干割高になります。
         
○料金:20000円(予定)


○最終募集期限:3月31日

    ※この日以降にキャンセルのお申し出があった場合、
      旅館に対してキャンセル料が発生する恐れがあります。



こちらのお泊り会については
当方も参加取りまとめを行っておりますので、
twipla                     
もしくは当ブログへのコメント欄にてご連絡賜れば幸甚です。
(おって個別にご連絡を差し上げます。)



以上、
よろしくお願いいたします。






2017年2月12日日曜日

(少々ネタバレ)ちはやふる176首所感



久々に本編を読めて嬉しい限り。

ざっくりと約3ヶ月ほどぶりなので、
前回どんなお話だったのかを
うっかりと失念してしまっておりましたが、
あらためて確認してみると、こんな感じでありました。

                                            
↓↓↓

千早が太一を自宅に引っぱり込んで、
かるた界最強ツートップTV特番を鑑賞、

生体学的見地からも
千早がクイーンになれる旬は今かもしれない…という
太一による説得力ある解説に一瞬怯んだ千恵子さん、

そこへすかさず

「クイーン戦と受験を必ず両立させるから!」
と、千早がズバンと宣言し…という流れ。
太一、ナイスフォロー。


--------------------------------


さて。

今回の176首では、
強くなる道を選んであらためて歩みを進め始めた
ちはたいあら3名の、 現在考えられる自らの弱点とは何か?
という事案が提示されていたけれども、


新が村尾さんから「白波会“的”なるもの」を
苦手としているのではないか、との指摘を受け、

メンタル耐性を含めた
いわば「戦術面」での精度強化が
近々の課題であると認識する一方で、


千早と太一は「聴力=感じ」を重視し、
多様な読手の発声を真似る、
或いは、
名人の一挙手一投足を完コピ(同化)する、
というアプローチによって、

繊細な「聴こえ」の感度の
底上げを試みようとしているのが興味深い。


--------------------------------

                                                       
英語の詰め込みのために
シャドーイングを実践しているうちに、この訓練を積むことで
特定音声の繊細な聞き分けと取りの反応速度の向上が
期待できるのではないか、と予感した千早は、

全専任読手の音声データを
どうしても入手したいという欲望を抱き
周防さんにデータのコピーを依頼すべく
東大かるた会を訪れるけれども、
                                       

かつてあれ程こっぴどくゲスいいじめられ方をした人間に
あえて会いに行く、というのは
大いに勇気のいることだったはずだろう。
                                                                   
詩暢ちゃんをも超えて世界一になりたいと言い切った以上、
目的達成のためなら何でもやらいでか、という
彼女の決意はじつに堅いようで、

須藤さんに対して土下座も辞さず(しかも超速w)
周防さんにデータコピーの口添えをしてやるから
試合しろ、と言われれば、
仰せのままに、と東大かるた会3人衆(含む須藤w)と3連戦。


…しかし結果的には、



「一生懸命お願いすればたいていのことは叶ってきた?
 ………甘いよね。」




と、容赦無い周防毒の前に、あえなく撃沈。
                                                              
しかも音声データのコピーを分けてもらえるよう
口添えしてやるという条件で勝手に千早と試合することを決めた上に、
今すぐそんな試合やめろと言っても言う事をきかなかった須藤さんも、
ここでまとめて周防さんのお叱りを受けることに…。



このエピソードでは、
周防さんの“地雷”のひとつが明示されているけれども、
確かにこの千早&須藤さんの組は
周防さんをイラつかす筆頭タイプといえるかもしれない。


もう来んな、と言ったにも関わらずノコノコとやって来て、
苦労の末に
(それを苦労と感じていたかどうかは知らんけど、
全国巡って収集したのだろうし少なくともお金はかかってるよな)

収集した大切なデータを
何の対価も提示せずコピーして欲しいと言ってきたり、

しかもそんな他人の大事なモノを
勝手に賭けネタにして試合を仕切った挙句、
あたかもデータコピーの許しをさくっと引き出させることが
できるかのような軽々な発言をする、という、
                                                    
   
いわゆる、
自らの論理やら信念やらが極太で揺るぎないために、
押さえつけても挫けないし、
(根拠の有無はさておき)言動がとてつもなく自信に満ちてるし、
一度走り始めるとなかなか制動がきかないし…という、
周防さんの誘導や圧力をものともしない、強欲タイプ。


(とは言っても、こと“試合”となると
 これが別の話になってしまうのだよな…
 熱くて前のめりになってしまいがちな系ほど
 周防魔法に掛かりやすい傾向がある。)


特に千早のそれは、
かるたに対するイノセントな愛情を源泉としているだけに、
周防さん的には余計にカンに障るのかもしれない。
(なにぶんかるたが好きじゃない方のヒトであるゆえ。)

或いは心底絶望を経験した事が無い人間の放つ
“ぬるさ”に過敏になっているのか…。

いずれにしても
既に千早は周防的デスノートに書かれる側のヒトに
分類されてしまったようである。


以前は外見だけで嫁とか言うてたのに、
真っ直ぐな子は憎くて曲げたくなるという
周防さんのねじけた精神性とイケズっぷりたるや、
おとな気がなさ過ぎてもう…ホンマ、………すげぇ好き。



----------------------------------------
                                                         
 
一方、
太一はと言えば、
オリジンのじぶんから遠ざかりたいという意識もあって、
近江に謝罪に行って以来千早に会うことを避け、
周防さんとの「同化」に日々熱心に取り組んでいる模様。


曰く、同じものを飲食し、
同じリズムで行動することにより、
同化対象の感覚を自らの身体感覚として知覚させるのだという。


そんな太一が周防さんについてゆこうと考えるようになった
そもそもの発端は、

相手にミスをさせる、
そのことだけを考えるプレイスタイルを魅力的だと感じ、
それをものにしたいと考えたからだけども、


今となっては単なるテクニックの獲得先というのみならず、
闇を抱えたままかるたを続けてきたことに対する“共感”と、
そのようなじぶんのままでこの世界にいてもよいのだという
“赦し”を与えてくれた、


「存在の救い主」であり、

且つ、

「理想の到達点」としての畏敬の宛先でもある。


…ハズなのに、時折見せる太一の周防さん扱いは
結構ぞんざいだったりして、
何その斜め方向からの愛情表現萌えるわ、ってなる…。



しかも、
一時は君に付き合う義理は無いと言って
太一の接近を退けていた周防さんが
今では憎からず思い彼を手元に置いているのは、

かるたが好きでなくても
この世界に留まらねばならない理由があるという点において、
王道派に対するルサンチマンが
じぶんと共通していることを認識したからであって、

且つ、

その意味上で彼が
“相手をコントロールするかるた”を継承するに相応しい
「資質」を持っていると見込んだからに違い無く…

…って、それならアイスのひとつくらい
奢ってやったっていいのに留年先輩めけちくさいぞ。



そんなふたりの奇妙な「依存関係」が
( ← not 師弟関係。それは周防さん本人も否定している。)                                                                           今年の名人戦予選に波乱を呼ぶのは必至だろうし、

となれば、
やはり挑戦者決定戦のカードはあのふたりなのか?!
…ってなるよな。


いわゆる、
ダース・ベイダー VS ルーク・スカイウォーカー 的対立構図。


見てるのが辛いパターンだけども、
これは物語上避けては通れないのだろうな。



------------------------------------------
                                                              
それにしても、
今回は他の部員がいる前で
周防さんにガツンとやられた須藤さんが、
まさかの千早に共闘を持ちかけるという展開に
目を見張った。


須藤さんはどうやら周防さんのお宝をパクったっぽく、
もしかしてかるた以上のドS要求を
JKにぶっ込んでくるなんてことはきっと無いだろうけどもw、
ここにきてとても興奮する関係性が生まれたよ?
                                                                      
かるたバカ軍が勢力を拡大し、
互いの個性を交えることで新しい力を発見し、
それがさらにかるた界全体を面白く、
そして豊穣なものにしてゆく…。

その相乗効果の描かれ方に、今、

とてもわくわくしている。

それゆえ、
千早の「居心地のよい場所から出てゆく」、
「違うかるた会との練習」という言葉と、
村尾さんの「白波会的なかるたが弱点」という言葉の符合は、
“栗山先生の粋な計らいの再来”を予感させるのだが…。


いやこの際、
原田先生の計らいでもどちらでもよいので、

千早の南雲会修行を実現させて、
松林兄弟による新兄ちゃんイジリを
是非ナマ(=本編)で見たいものだ。

加えて村尾さんによる核心を突くツッコミにより
ぐうの音も出なくさせられる弟弟子の図にも超期待するな。

---------------------------------------


早いもので
あと3日もすれば次号びらぶの発売日。

千早と須藤さん、
互いにどんな課題想定で試合に臨むのだろう。

まさか、
須藤さんの誘いに千早が乗らない、とか…ないよな?

いずれにしても、

次回は非常に興味をそそられる内容になること、必至。


---------------------------------------


ところで、
ここで告知をさせて頂きたい件があります。


ご縁を頂戴し、
この辺境ブログにお運び下さった

ちはやふるが大好きだ、というみなさまに、
近々開催予定のちはやふるオフ会をご紹介いたしたく。


ちはやふるについて
ぜひともリアルな場で語らいましょう、というこの企画。
みなさまのお運びを心よりお待ち申し上げております。



■ 映画「ちはやふる」一気見上映会in渋谷 ■


○日時:3月19日(日)12時集合~17時30頃終了予定

○会場:カラオケパセラ渋谷店
     東京都渋谷区神南1-22-9
  
○会費:4000~4500円位の予定


参加ご希望の方は twipla からご参加の旨をお知らせ下さい。





■【非公式】「ちはやふる」ファンお花見お泊まり会 ■
 

○日時:4月8日(土曜)~4月9日(日曜)

○場所:グランディア芳泉さま
      あわら市船津43-26


      ※このイベントについてのお問い合わせを旅館の方にされますのは

        恐れ入りますがご遠慮ください。

○募集人数:計20人

         ※最低催行人数は男女各6名以上となります。
      仮に5名以下になった場合、団体プランの料金に代わって

      個人プランの料金が適用されるため、
      若干割高になります。
         
○料金:20000円(予定)


○最終募集期限:3月31日

    ※この日以降にキャンセルのお申し出があった場合、
      旅館に対してキャンセル料が発生する恐れがあります。



こちらのお泊り会については
当方も参加取りまとめを行っておりますので、
twipla                     
もしくは当ブログへのコメント欄にてご連絡賜れば幸甚です。
(おって個別にご連絡を差し上げます。)



以上、
よろしくお願いいたします。






2017年1月8日日曜日

(ご参考)直近の3記事のみ移植しました


旧ブログから、直近の3つの記事のみ移植いたしました。

こちらへの移行前、
当ブログがどのような記事を掲載していたのかをお知り頂くための
参考用として移植させて頂いた次第です。


もし、

過去記事にご興味をもって頂ける方がおいででいらっしゃいましたら、
2016年3月31日15:00 までは、下記にて確認可能です。

↓↓↓

http://musicassky.blog.eonet.jp/


以上、お知らせまで。


libro


-------- AUTHOR: musicassky (りぶろ) TITLE: (少々ネタバレ)ちはやふる170首所感。 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: richtext ALLOW PINGS: 1 CATEGORY: ちはやふる DATE: 08/11/2016 07:58:41 AM BASENAME: 170-571f ----- BODY:



170首、読了。

今回はなかなかにして
ドラマチックな内容だったなあ、という印象。

次世代を担う責任を引き受け、
かるたを頑張る理由を新たに見い出し、
真剣にじぶんの力を高めようとし始めた
菫ちゃんの姿にもぐっときたし、

じぶんなりのかるたへの関わり方を貫いて
決勝にまで残っているかなちゃんの信念にも
熱いものを感じたし、

駒野君は…まあ…若干邪念(?)が入ってはいるけど、
モチベとしてはすごく熱量の高いものだし、
かるたの神様が味方してくらたらいいのにね、
とか思ったり。

今年の全国大会では、
高校生カルターたちみんなが
絶賛イニシエーションの真っ最中だけれど、

そんな中、今回最も注目すべきは、やはり


『新の心情の変化』ではなかったか、と。




“さよならが近いだけや ―”



「あの部屋」にたった独りで佇んでいる
新の姿とともに語られたこの独白には
かなり動揺させられたけれども、

これは幼年期の終わりを自覚した彼が
必然の現実化を予感して述べた率直な感想であって、

個人的には彼の“前向きな心情”が表されたものと
理解しているところ。


----------------

前回のヨロシコくんとの準々決勝時、
やはり新の耳は背後で行われていた
詩暢ちゃんと千早による戦いの決着時に
彼女らふたりが交わした言葉を捉えていたようだ。
                            
                              
「次はクイーン戦で!」


「今度こそ、約束や!」  
                                               


あの孤高のクイーンが、
千早を「ライバル」として認識したという、じじつ。



去年の夏の大会では、
強い相手にどうして落ち着いていられるのか?と問い、
強くなることばかり考えている、
ずっとそれだけを考えて頑張っているのに届かない…、
と、壁を乗り越えられないもどかしさを
苦しげに訴えていた千早。

そんな千早が“いつもおれだけが遠い”場所と時の中で
試練にぶつかり、これを突破し、

つい昨日の団体戦での直接対決では、
試合終盤までじぶんを
対戦相手として認識することすらない状態で、
ひたすら自らのチームにのみ心を砕き、
そして見事に勝利した。

その上、とうとうじぶんの存在を
クイーンである詩暢ちゃんに認めさせるまでに至ったのだ。




明らかに、
じぶんが知っている、と思っていた「千早」とは、
もう違う ―。





これまで、
試合の場で千早と出会うたびに
うっすらと感じられていた
彼女のかるたに対する不安や迷いというものが
今や一切消滅し、


真っ直ぐなひたむきさは
ゆるぎのない強さへと確実に変化している ―。



このじじつの発見は、
新の中で、“千早という存在の再定義” を迫られる
契機となった、と、いえるかもしれない。





「じぶんにとっての千早とは?」





という“根本的な問い”。 

新にとってそれはおそらく、
“「あの部屋」にいる彼女” そのものと、
そこに大切に保存している
“じぶんたちふたりの関係性” を
一から問い直すことに
ほかならないのではないだろうか。


------------------


新が試合に臨む際、
「あの部屋」を強く意識し、
かつ、そこに深く没入してゆくのは、
“かるたが一番楽しいと思えたとき”を意識して、
リラックスして試合に臨めという
じいちゃんの格言に従ったルーティーンである、
ということは今更言を俟たないけれども、

それと同時に「あの部屋」は、
彼が
“新規のじぶんと向き合う際の舞台装置”としても
機能していたというじじつをあわせて考えたとき、

(=例えば、恋愛感情の萌芽として描かれた、   
  「なんで太一がそこにいるんや?」の時とか。)

今回も新はふたたび「あの部屋」で
“新たなじぶん”を発見をしているのではないだろうか。


ひとつの推測として、
彼が「あの部屋」をこころに取り出す際、


そこにいる千早はいつも
“小学生の頃の千早”であるけれど、

それはいまだに新が千早に対して抱いているイメージが
“あの頃のまま(=小学生のまま)の千早”であるからであって、

今回の団体戦におけるチーム采配時の振る舞いや、
直接対戦時にいたってはじぶんのことを試合終盤まで
一切認識しないほどに集中力を究極に高めていたこと、
さらには、詩暢ちゃんによるライバル発言という、
彼女の明らかな成長を目の当たりにしたことで、

新は千早に対する認識を
“更新”せざるを得なくなったのではないのだろうか。

それはつまり、彼にとっては
“「あの部屋」にいる千早の捉え直し”という作業と
同義であり、


“うれしくて、楽しくて、なんにも怖くない”を
自らに召還するためだけに


『じぶんのとって都合のよい千早』



を、
これ以上「あの部屋」に
閉じ込めておくわけにはゆかない、
と、考えたから……とは言えないだろうか。
さらに、
そのことが二重に意味するのは、



“じぶん自身も「あの部屋の千早」に、否、  
 何よりも「あの部屋そのもの」に、これ以上  
 依存し続けていてはいけないのではないか”


という思いではないのか?ということ。


こと人との関わりにおいては
じぶんのことを脇において相手を優先することが
習い性となっている新であることを思えば、
彼がそのように考えたとしても、不思議はないだろう。


じぶんの心地よさを得るためだけに、
彼女に枷を負わせることはこれ以上できない、
「あの部屋」から
彼女を解放すべきときは“今”なのではないのか?


もしかすると、
新はそのように考えたのかもしれない。


この推測を踏まえて、
彼が詩暢ちゃんによるとどめの
「今度こそ約束や」を聞いて以降の
(非常に乏しい)心情変化の痕跡を辿るとすれば、

準決勝で西田くんの肉弾を受けて
彼の眼鏡がぶっ飛んで歪んでしまった際、

そしてその後に
千早がそのことについて問題ないかと問うた際に、


新はいずれも「大丈夫」と答えているけれど、
それは単に彼らの“問いに対する答え”、というよりも、


「あの部屋」から
外に踏み出してゆかねばならない時期にあることを
自覚した彼が、

そのさみしい気持ちを奮い立たせるために、

「大丈夫」


と、自らに言い聞かせているように
見えなくもない。


さらには、
これまでのちはやふる史上初といっていい、

新が
“わざわざ”眼鏡を取って千早に向かい合う、という事態。

これは単純にサービスショットwww
だったのかもしれないし、


あるいは心配してくれた千早に対する、
眼鏡の損傷はそれほど大きくないので心配無用だよ、という
意思表示のためにしたことだったのかもしれないけれど、


あえて眼鏡を外して千早をみる、というその行為は、


これまでとは違う“新しい視点”で彼女を捉え直そうと決めた、
そんな新の心情が象徴されている ―、


そのように解釈できなくもない。

表紙も含めて、
新を象徴するアイコンである「眼鏡」を取り去った姿が
今回とても念入りに描かれていることの背後には、


新生・新に関する、
末次先生の何かしらの意図が込められているのでは?
…と思ったりもするのだけど、はたして。


こころ震えながらも自らに到来した変容のときを知って、
これを受け入れるべく黙って静かに己れと向き合っている、
そんな新の姿が清々しくもけなげで、
そして、切ないことであるなぁ…と思った次第。


そんなこんなで、
もう次のびらぶの発売が目前ですが、
“獅子の目覚め”は次のお話で満を持して炸裂するのか?

今からとても楽しみであります。






----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: -------- AUTHOR: musicassky (りぶろ) TITLE: (少々ネタバレ)ちはやふる171首所感。 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: richtext ALLOW PINGS: 1 CATEGORY: ちはやふる DATE: 08/21/2016 01:50:00 AM BASENAME: 171-fda3 ----- BODY:



171首読了。

前回の170首では、
新の中に生まれた深い自問に対する解が
なかなかに衝撃的な独白として提示されたまま
次回に続く!…となってしまっていたため、
どえらく心中がざわつかされてしまった。

しかし今回の171首で、
その独白の真に意味するところが、
彼がさらに高位の“ちはやぶるな境地”に到達するための
自己啓示のシグナル、或いはエピファニーとして
語られたものであった
、とわかって、ちょう安堵した…。



“ 新しい世界に生まれ出ようとする人間は、   
 誰でもひとつの世界を破壊しなければならない ”



とは、ヘッセの作品中にある言葉だけれども、
この全国大会で、太一の不在と千早の変化を
直接見、聞き、体感し、“じぶんたちの今後の在り方”、
および“じぶんの在り方”に係る転換期を予感した新は、

自らのなかに生まれた自然なうながしに従って、
安寧で満たされていた「あの部屋」をじぶんの手で閉ざし、
歩み出してゆくことを決めたようだ。

一方で、
新のこの極めて“個人的”な決断が、
奇しくも前日の団体戦において
彼が最後まで体得することのかなわなかった
“チーム”を支えるフォロワーシップの何たるかを
理解するきっかけとなっていることは、
とても興味深い現象だといえる。

“個人戦の頂上決戦”という究極の場において、
理想的ともいえる“団体戦”を繰り広げている、新。




(千早と太一にもらったものを返すんや)

(ふたりとまた同じ景色を見るんや)




かつて彼が、
富士の稜線に沈みゆく夕日に向かって立てた誓いは、
“ひとつの神話との決別”とひきかえに、
今、成就されつつあるのかもしれない。

さらにその変化は、
千早よりも、名人よりも、太一よりも、今のじぶんよりも、
もっともっと強くなりたいという
内的使命の強力なほとばしりとなって、
眼前の詩暢ちゃんにぶつけられようとしているけれど、




“頂上戦で、獅子は目覚める!”




…という、あの例の次巻予告のアオリ…、


アレがまさに現実化しそうな勢いとなっているので、
いやちょっと待ってワタシどっちを応援したらいいのよ困る、
ってなってしまっている次第。




----------------------


そのようなわけで、
この171首をもって、太一、千早、新の3人が、
それぞれの幼年期に別れを告げるための
“精神的スクラップアンドビルド”を等しく
経験し終えたことになったのかな…と思うのだけれど、

(都合25巻くらいから単行本にして約7冊分くらい?  
 すごい長かったな…)

あとひとり、
詩暢ちゃんがまだその渦中にある模様…。


新を公式戦で倒すという野望が、
よりによってじぶん以外のどうでもいい子、
しかも、“女子”に先を越されてしまうという
屈辱を味わった上に、

個人戦決勝という
彼女にとっては神聖なリベンジのリング上で
チームにかぶれた姿(www)を容赦無く見せつけてくる新に、
詩暢ちゃんの怒りも頂点に。

個人としての強さこそが絶対正義と信じている詩暢ちゃんが、
同じように個人としての強さ磨いてきた新を
「信頼のおける自らの好敵手」とこれまで認識してきたのは、
彼が“ひとりで強かった”からなのに、

ここにきて、
じぶんに勝ったことさえ無い千早に
負けてしまうという失態を新が晒してしまったのは、

“仲間”に馴れ合い、
本来己を極めるために使うべきである力の使い方を
すっかり誤ってしまったからだ、と、
彼女は結論付けている様子。

しかしそもそも論として彼女が怒っているのは、




“ひとりでも強い者同士と信じていた新が  
 チームという得体の知れないものに奪われてしまったこと”




に対して、なのではなかろうか?

しかもそれは、
奪われて悔しい、ムカつく、腹立たしい、
という感情というよりも、


ふたたび完全なる“ひとりぼっち”になることへの
恐怖を抑制するために、無意識にこれを
怒りへと転化しているがゆえの反応なのではないのか、と。

かつて彼女は“それ”を経験しているし、
だからこそ、新がじぶんたちの属している世界とは
違う世界へ行ってしまった、という事態は、
彼女にとって許しがたいことなのだろうと想像する。

そして、
詩暢ちゃんの女王としてのプライドは、
彼女に新がそのようにふるまったのは何故か?という、
“その先”にあるものへ思いを致す思考自体を停止させ、

ただ「力」によって新を屈服させることこそが、
彼を再びもとの世界へ従属させる唯一の方策であると
信じ込ませてしまっているようだ。

だからこそ、
彼女のそのかたくなな心を開き、かつ、
いま陥ってしまっている独善の蒙を啓くのは、
やはり新そのひとであって欲しいし、
また、新たに彼女の世界に招かれた千早であって欲しい、
と思うのだ。

詩暢ちゃんの
“精神のスクラップアンドビルド”の衝撃度が
どの程度のものになるのか、
ちょっと想像が付き辛いけれど、

できればこの全国高校選手権において、
同じ若者同士の関わり合いの中で
成し遂げてもらいたいものだな、と願っているところ。



------------------


…と、 このような書き方をすると、

個人戦A級決勝戦の勝者は新なのではないか?と
思えてくるのだけど、
そんなにあっさりと話がすすまないのが、
ちはやふるゆえwww。

あとは、



「なんでうちがそんなこと思うんや?」




の理由を、
詩暢ちゃんが気付きやがればいいのに!+.(≧∀≦)゚+.゚
…とか思ったりもする一方で、

これ以上恋愛方面がややこしくなると
読んでてしんどいので、
(コラ!!)
何とかうまいことまとまって欲しいなぁ
…とか思ったり。


以上、所感まで。


----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: -------- AUTHOR: musicassky (りぶろ) TITLE: (少々ネタバレ)ちはやふる173首所感。 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: richtext ALLOW PINGS: 1 CATEGORY: ちはやふる DATE: 10/10/2016 07:14:50 AM BASENAME: 173-8ac1 ----- BODY:


173首読了。

今回は“想いのかたまり”が
いろんなひとから大量に溢れ出ていたため、
読んでいて、うわっ、となる回であった。


かなちゃんが「藻塩」になるほど
駒野くんの言葉を待っていたこととか、

駒野くんの背中を押すために
じぶんのきもちを冗談と断じた西田君の男気とか、

そんな西田くんの諦念が
友情と愛情にもとづくものであることを
正しく理解している翠ちゃんの察しのよさとか、

結果にめげず先を見据えた熱を持ち続ける部員達の姿に、
逆に励まされておもわず涙腺が決壊した
桜沢先生のかわいらしさとか、

さらには、不器用な仕方ながらも
我が子への愛情をきちんと本人の目前で示してみせた
詩暢母の親としての矜持とか ―。


じぶんの内部では
ちゃんと育み続けていたにもかかわらず、


時と場所と方法を計り切れずに
ずっと抱えて込んでしまっていた大切な想いを
ここにきてみんながいっせいに
現実の場に提出してきたな、という感が。

伏線や予兆が適度に回収されている、という点においても
今回は作品のラストスパートに向けての
「各種情報の整理整頓の回」という位置づけに
なっているように思われる。


そのような中、
重要度が高いといえるこの173首において
最も注視しておかなければいけないのは、

やはり、千早と新、
それぞれの“意志表明”でありましょう。


よくよく考えれば、千早の、





「新、藻塩になってるかもと思って」





という発言は、




((わたしのことを思って)身を焦がしてないかと思って)





と言っているのと同義なわけで、

それだけでも言われた本人にとっても我々にとっても
十分心臓破りな衝撃的言及だというのに、

さらに若宮親子を証人に立てた上での
“好きって言ってくれたのの返事”が





「世界一になりたい」





アンド





「うん、わかるわ」






………って。いやもう、流石としか。


既に行間を読むとかいうレベルを超越した
彼ら独自の意思疎通の仕方は、
一般人介入不可能の域だ。


若宮母が、




「…っ!!わかるの!?」




と、
すかさずツッコミを入れてるけれども、
心の声はきっと、



(あんたらアタマおかしいんとちゃうのん!?)




に違いなかろうよ…。
(じっさい「こんなかるたバカな高3がいるとは…!」と  
 思いっ切り突っ込んでたしな。)


しかし、
言動の根底に在る目的意識が当初から一貫して
“かるた界の頂点に立つ” という点で一致している
彼らにとっては、

恋愛感情の高まりでさえも
目的達成の過程において同時並行的に
自然と培われてゆくもの、
…という認識でいるのかもしれない。

目的を共有している限り、 “そのとき” がいずれ “ふわっ”と到来するであろうことを
互いに予感し合っているからこそ、


気が向いたら、だとか、
今じゃなくていいから、だとか、
藻塩になってるかもだけど、
今の気持ちは世界一になること、だとか、


ふつうに考えれば、まったく呑気で、
かつ、とんちんかんな応答でしかない会話であっても、

彼らにとっては「確信に満ちたやり取り」として
ちゃんと成立しているのだろうな。


それでも
どちらかといえば、
明確なライバルが存在しているというじじつゆえに、
恋愛方面に対し積極性を示している(示さざるをえない?) のは
確実に新の方なので、

ふだんあまりしゃべってくれない子をして






「もっと近づいたら…  
 おれのことどう思ってんのか聞かせて?  
 
近くにいくから。」







と言わしめる、
その青い春のエネルギーたるや…半端ない(涙。


しかも、
何の予備知識も無いまま
いきなり青春劇場の立ち会い人となるハメに陥った
若宮親子の眼前で、

始じいちゃん譲りの
“ナチュラルボーン・艶男(アデオス)”っぷりを
新がめいっぱい見せつけたせいで、
詩暢ちゃんの「かるたバカ魂」にも引火する始末…。


いや、大変オモチロくなってきた。


新も千早も、
それぞれに新しいスペックを手に入れたようだし、

詩暢ちゃんもさらなる強さを求めて
引きこもりの殻を破って他人だらけの大海に
飛び込んできたし、

今は画面に出てきていない太一も
“強さに対する貪欲さ”は
太一史上最大レベルになっているだろうし、

今秋の吉野会大会は、
間違いなく天下一武道会級になるな。


ひととひととの連関のなかで
若者たちが新たな視点を獲得し、
じぶんのもつ資質を深め、或いは精製してゆく姿は
ほんとうに清々しくて涙が出る。


ああもうほんとうに、みんな大好きだ!


みんな頑張れよ!
次回もすごく期待してる!!!
   
                          

追伸:手に入れたいものほど手放すのだと言い切ったときの
   新くんの表情が若獅子そのもので射られたなぁ。



    
----- EXTENDED BODY: ----- EXCERPT: ----- KEYWORDS: